1: ◆9l/Fpc6Qck 2016/07/07(木) 15:06:57.79 ID:bvcu9Is+0
――ザザザ……ザッ……
……CQ、CQ、CQ
こちらは、ウィスキー、フォー、キロ、チャーリー、シックス、ノベンバー、ホテル、ズールー
ダブリュー、フォー、ケー、シー、シックス、エヌ、エイチ、ズィー
432.92、432.92にてコンタクトを求む……
2: ◆9l/Fpc6Qck 2016/07/07(木) 15:13:40.88 ID:bvcu9Is+0
――ザ、ザザッザザ……
……CQ、CQ、CQ
こちらは、ウィスキー、フォー、キロ、チャーリー、シックス、ノベンバー、ホテル、ズールー
ダブリュー、フォー、ケー、シー、シックス、エヌ、エイチ、ズィー
聞いている方、いらっしゃれば……交信を……
受信します……どうぞ
3: ◆9l/Fpc6Qck 2016/07/07(木) 15:17:09.34 ID:bvcu9Is+0
――ザザーッザザッ
………………
……はぁ
……
…………
………………
4: ◆9l/Fpc6Qck 2016/07/07(木) 15:26:55.12 ID:bvcu9Is+0
――ザッザ……ザザッ
……CQ……ハローCQ
こちらはウィスキー、フォー、キロ、チャーリー、シックス、ノベンバー、ホテル、ズールー
ダブリュー、フォー、ケー、シー、シックス、エヌ、エイチ、ズィー
432.92、432.92にて……コンタクトを……
ゴホッ……ゴホッ……
5: ◆9l/Fpc6Qck 2016/07/07(木) 15:39:49.69 ID:bvcu9Is+0
――ザ、ザザッザザ
……ハローCQ、ハローCQ
こちらは、ウィスキー、フォー、キロ、チャーリー、シックス、ノベンバー、ホテル、ズールー
ダブリュー、フォー、ケー、シー、シックス、エヌ、エイチ、ズィー
どなたか、交信を……どうぞ
6: ◆9l/Fpc6Qck 2016/07/07(木) 15:44:41.06 ID:bvcu9Is+0
――ザザザッザッ
ッ、ゴフッ、ゴホッ……
……やっぱり……だめか……
……
…………
………………
7: ◆9l/Fpc6Qck 2016/07/07(木) 15:48:56.14 ID:bvcu9Is+0
――ザザザザーッザザザッ
……ハローCQ
こちらは……ウィスキー、フォー、キロ、チャーリー、シックス、ノベンバー、ホテル、ズールー
ダブリュー、フォー……ケー、シー、シックス、エヌ、エイチ……ズィー
432.92、432.92にてコンタクトを……
8: ◆9l/Fpc6Qck 2016/07/07(木) 16:00:22.73 ID:bvcu9Is+0
――ザ、ザッザザザ
……ハローCQ……
こちらは、ウィスキー、フォー、キロ、チャーリー、シックス、ノベンバー、ホテル、ズールー
ダブリュー、フォー、ケー、シー、シックス、エヌ、エイチ、ズィー
交信を……誰か……
……ゴホッ、ゴフッ……
ヒュー……ヒュー……ゴフッ……
……どう……ぞ
9: ◆9l/Fpc6Qck 2016/07/07(木) 16:00:58.34 ID:bvcu9Is+0
――ザ、ザザ………………
10: ◆9l/Fpc6Qck 2016/07/07(木) 16:07:52.97 ID:bvcu9Is+0
『ダ……ダブリュ……フォ……シー、シックス、………エイチ、ズィー』
……っ!
11: ◆9l/Fpc6Qck 2016/07/07(木) 16:20:34.83 ID:bvcu9Is+0
『……らは、エクスレ……エイト、アル……チャーリー、エ……』
『エックス、エイ……エー、……、イー、よ……くどうぞっ』
あ……あぁ……!
12: ◆9l/Fpc6Qck 2016/07/07(木) 16:30:24.36 ID:bvcu9Is+0
エクスレイ、エイト、アルファ、チャーリー、エコー……!
お、応答……ゴホッ、ゴホ……感謝する……
こちらはウィスキー、フォー、キロ……チャーリー、シックス、ノベンバー、ホテル、ズールー……
レポートはこちらより、フォー、シックス……!
よろしゴフッ……コフッ……どうぞ
13: ◆9l/Fpc6Qck 2016/07/07(木) 16:45:50.05 ID:bvcu9Is+0
『了解、レポ……フォ……シックス、確……!』
『こち……らのレポート……ファイブ、セブン!』
『まさか、……の方と本……交信できるなんて、夢……思いませんでした!』
『よろし……ねが……ます!ど……!』
14: ◆9l/Fpc6Qck 2016/07/07(木) 16:52:39.76 ID:bvcu9Is+0
了解……あぁ、わしも心の底から驚いておるよ……!
てっきり、そちらでは旧式無線が完全に廃れてしまったものかと……
とても……とても嬉しく思っている……どうぞ……!
15: ◆9l/Fpc6Qck 2016/07/07(木) 17:03:23.79 ID:bvcu9Is+0
『了解、こ……こそ、感激です』
『実は、祖父……譲り受け……董品の無線機を、たまたま動かして……のですが』
『まさか、チャンネルが……と繋が……いたなんて』
『それに、……にはもう…………いと聞いていました、ど……』
16: ◆9l/Fpc6Qck 2016/07/07(木) 17:11:35.47 ID:bvcu9Is+0
……了解
その通り……少なくとも、この周囲に住んでおるのはもうわし一人だけだ
じきに、誰もいなくなるだろう
それより……
声を聞く限り、君はまだお若いようだが……堪能な応答だった、どうぞ
17: ◆9l/Fpc6Qck 2016/07/07(木) 17:27:14.80 ID:bvcu9Is+0
『了解、僕は……で16です』
『ハイス……ルに入って1年にな……す』
『応答に関し……こちらで学んだ光通信の手順と、さほど変わりが無……たので』
『……ぞ!』
18: ◆9l/Fpc6Qck 2016/07/07(木) 17:34:28.48 ID:bvcu9Is+0
了解……なるほど
わしも若い頃は、そちらに移り住んだ人と話をするため……必死でコイツの使い方を学んだものだが……
実に感心した……どうぞ
19: ◆9l/Fpc6Qck 2016/07/07(木) 17:35:17.57 ID:bvcu9Is+0
『了解、お褒め……けて、本当に嬉し……す』
『僕からも……一つ、聞きたいことが……』
『あな……住んでいる……は今、どうなってい……か?どうぞ』
20: ◆9l/Fpc6Qck 2016/07/07(木) 17:35:45.91 ID:bvcu9Is+0
一旦ここまで
続きは夜にかきます
続きは夜にかきます
21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/07(木) 18:53:58.78 ID:8N660gjlO
期待
23: ◆9l/Fpc6Qck 2016/07/07(木) 20:27:23.78 ID:bvcu9Is+0
了解、おそらくは概ね……君の知っている通りだよ
わしの家の窓から見えるのは、厚い雪に覆われたかつての町と……ゴホッゴホッ
その先に広がる……どこまでも凍てついた海原だ
君の家の辺りは……今どうなっている?どうぞ
24: ◆9l/Fpc6Qck 2016/07/07(木) 20:34:56.41 ID:bvcu9Is+0
『了解、僕の家の周……、目覚ましい発展を遂……した』
『見渡……り、真っ直ぐに伸びた銀色……が立ち並び、ハイパー……プが行き交う立派な大都市です』
『ただ、現在はここより少し北にある神……海を中心にテ………………ザザザッ…』
『そこに大規模……施設が完成すれば、いずれはそ……発展するでしょうが』
『今は、ここが南半……中心都市です、……ぞ』
25: ◆9l/Fpc6Qck 2016/07/07(木) 20:51:11.44 ID:bvcu9Is+0
……了解、順調そうで何よりだ
では……食事などは……ゴフッゴフッ、どうしている?
……どうぞ
26: ◆9l/Fpc6Qck 2016/07/07(木) 20:58:18.21 ID:bvcu9Is+0
『了解……』
『食事は相……わらず、チューブ食が中……す』
『最近はチーズ……ガー味、あとスモ……ベーコン味が僕たちの世代のトレンドですね』
『こればかり食べて……と、ママに怒られてし……ますが、ハハハ……』
『あなたは?ど……』
27: ◆9l/Fpc6Qck 2016/07/07(木) 21:00:28.75 ID:bvcu9Is+0
了解……悪いが、食欲はそそられん
だが、わしもかれこれ……ずうっと缶詰だけで過ごしておる
最近は喉を通りにくくなってきたが、困ったことに……地下にまだたくさんの備蓄が残されているのだ
できることなら、君たちにも分けてやりたいくらいだ……どうぞ
28: ◆9l/Fpc6Qck 2016/07/07(木) 21:01:13.68 ID:bvcu9Is+0
『了解……カンヅ……すか……』
『僕は実物を見たこ……ありませんが、どんな味が……んだろう?』
『すごく気に……ます、どうぞ』
29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/07(木) 21:02:00.93 ID:Nj/ixHpxP
無線の会話って本当にこういう感じだよね
支援します、どうぞ
支援します、どうぞ
30: ◆9l/Fpc6Qck 2016/07/07(木) 21:02:17.38 ID:bvcu9Is+0
了解……うぅむ、一言に缶詰といってもなぁ
君たちに、ランチョンミートやオイルサーディンを食べる文化が残されているなら、おのずと分かるだろう
そうでなければ、どれもしょっぱい食い物だとしか言い表せん……どうぞ
31: ◆9l/Fpc6Qck 2016/07/07(木) 21:05:51.16 ID:bvcu9Is+0
『了解、らんち……みーと……?そんな食べ……名前を聞い……は初めてです』
『名前から察す……、食肉の習慣があった時代の食……と思いますが……』
『かつて……に連れて来ら……家畜は……産めず、一匹も残さずいなく……てしまったそうです』
『今、……では合成培養食を無尽……生産できますから、特に問題はありませんが……』
『ということは、あなたの……は今も家畜動物たちが?どうぞ』
32: ◆9l/Fpc6Qck 2016/07/07(木) 21:07:26.36 ID:bvcu9Is+0
了解、いや……こちらも家畜の類は一匹も残っちゃいないさ
野性の獣も、もう何年も見ていない……
……どうぞ
33: ◆9l/Fpc6Qck 2016/07/07(木) 21:14:11.62 ID:bvcu9Is+0
『了解……そう……たか、残念です……』
『いつか……を訪れた時に』
『この目で本物の動……見て……かったのに』
34: ◆9l/Fpc6Qck 2016/07/07(木) 21:17:14.32 ID:bvcu9Is+0
…………
――ザザザッザザ……
『…………』
35: ◆9l/Fpc6Qck 2016/07/07(木) 21:19:30.73 ID:bvcu9Is+0
『……何故、そこに残ったのですか』
『……どうぞ』
36: ◆9l/Fpc6Qck 2016/07/07(木) 21:21:38.83 ID:bvcu9Is+0
おねむなので、一旦ここまでです
できれば夜中か早朝に書ききります
読んでくださっている方、ありがとうございます、どうぞ
できれば夜中か早朝に書ききります
読んでくださっている方、ありがとうございます、どうぞ
38: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/07(木) 22:04:45.60 ID:Nj/ixHpxP
乙です
おやすみなさい(会話を切る場合はどうぞと言わない)
おやすみなさい(会話を切る場合はどうぞと言わない)
39: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/07(木) 22:23:23.65 ID:5eZnTC/w0
続き期待
40: ◆9l/Fpc6Qck 2016/07/08(金) 04:48:10.37 ID:0Q/ccCV10
……了解、それは……
わしが、効率の悪い男だったからだ
……どうぞ
41: ◆9l/Fpc6Qck 2016/07/08(金) 05:01:15.74 ID:0Q/ccCV10
『…………』
『申し訳ありません……言葉の意……よく分……ません』
『……うぞ』
42: ◆9l/Fpc6Qck 2016/07/08(金) 05:10:47.99 ID:0Q/ccCV10
りょう……ゴホッ、ゴホッ……かい
確かに……少々理解し辛い言い方だったかもしれぬな
言い換えれば……そうだな、わしはここを離れたくなかったんだ
43: ◆9l/Fpc6Qck 2016/07/08(金) 05:19:13.37 ID:0Q/ccCV10
先祖代々、わしらの一族はこの地に住み続けてきた
かつて、家の北東に大きな宇宙センターがあったのだが……
わしらの一族は世代を超え、そこの仕事に従事し続けてきた
それは緑を湛え、潮の満ち引きを感じられた時代……
ここが氷に覆われるより、ずっと……ずっと前の話だ
44: ◆9l/Fpc6Qck 2016/07/08(金) 05:31:24.46 ID:0Q/ccCV10
今、君たちが住んでいる場所を、最初の移住者が訪れてから間もなくのこと
誰もが知る……この星の地軸変動の原因となった、あの災いが起こった
45: ◆9l/Fpc6Qck 2016/07/08(金) 05:43:23.06 ID:0Q/ccCV10
災害の後、人々は大きな選択を強いられた
開発の進みつつある新たなフロンティアへの移住か、ここで静かに終わりを迎えるか……
……まぁ、選択の余地など無いわな
46: ◆9l/Fpc6Qck 2016/07/08(金) 05:55:22.79 ID:0Q/ccCV10
皆が安全に移り住むまで、仕事の手を休めわけにはいかなかったのも事実だ
誰かが最後まで、ここに残る必要があったことも……
結局、最後まで残ったのは……わしを含めた数人だけだった
だが、わしらはそれを望んだのだ……どうぞ
47: ◆9l/Fpc6Qck 2016/07/08(金) 06:14:18.29 ID:0Q/ccCV10
『了……ですが、尚のこと理解……きません』
『……は今、開発のおかげでとても住み……環境となりました』
『千kmを隔て……市への移動も、今や一時間で済みます』
『医療の発達……病気による死……は限りなく0%に近づきました』
『都市全体の気候すら、人の……操作を……』
48: ◆9l/Fpc6Qck 2016/07/08(金) 06:27:15.12 ID:0Q/ccCV10
『だから僕は、僕が生ま……この……、大好きです』
『できる……なら、あなたを……に迎えたいとも思……います』
『そのために、僕は宇宙工……学んでいるのです……どうぞ』
49: ◆9l/Fpc6Qck 2016/07/08(金) 06:38:46.37 ID:0Q/ccCV10
了解、君の心からの好意に感謝する
だが……君とわしの本質は同じ……
わしも、ここが大好きなんだ
50: ◆9l/Fpc6Qck 2016/07/08(金) 06:49:46.01 ID:0Q/ccCV10
それが……それだけが、ここに残った理由
人が住めるようになり、発展を遂げる見通しのあったそちらよりも
寒冷化に見舞われ、いずれは人の住めなくなるここを、わしは選んだ
ゴホッ、ゴフッ……それだけだ……どうぞ
51: ◆9l/Fpc6Qck 2016/07/08(金) 06:50:21.56 ID:0Q/ccCV10
『……了解』
『僕には想像もつ……い程の想いが……には込められて……のですね、……ぞ』
52: ◆9l/Fpc6Qck 2016/07/08(金) 06:56:45.30 ID:0Q/ccCV10
了解……まぁそういったところだな
……だが、わしは今
かつての自分がとったその選択に、ちょうど感謝をしているところだ
53: ◆9l/Fpc6Qck 2016/07/08(金) 06:57:24.09 ID:0Q/ccCV10
なぜなら今、君とこうやって交信ができていることが……
わしには、嬉しくて仕方がないのだから
『…………』
54: ◆9l/Fpc6Qck 2016/07/08(金) 07:05:21.14 ID:0Q/ccCV10
だって、そうだろう
この地上からわしが発した電波が、この星の遥か上層を覆う電離層を越え
その更に幾十万キロという途方もない距離を経て、ようやく君のもとまで届いたのだ
ここに残ったわしも、そちらにいる君も……
たまたま同時に顔を向き合せ、このヘンテコな無線機に手を触れ、同じチャンネルを開いた……どうぞ
55: ◆9l/Fpc6Qck 2016/07/08(金) 07:06:10.71 ID:0Q/ccCV10
『了……だから、僕たちは繋が……』
――ザザッザザザッ
……ゴフッ、ゴホッ……そうだ
56: ◆9l/Fpc6Qck 2016/07/08(金) 07:08:14.90 ID:0Q/ccCV10
だが、残念なことに……それももう、終わりを迎えようとしているらしい……
……どうぞ
57: ◆9l/Fpc6Qck 2016/07/08(金) 07:10:10.28 ID:0Q/ccCV10
『な……何故で……!?』
『まだ、そち……らは見えてい……ず!』
『……かく、地球……と話がで……のに!』
『僕はまだ……、あなた……話がした……です!』
『……ぞ』
58: ◆9l/Fpc6Qck 2016/07/08(金) 07:10:39.72 ID:0Q/ccCV10
了解……空に、“あれ”がかかりはじめたのだ
“あれ”は、やがて……ゴホッ、ゴホッ……上空の電離層を掻き乱す
わしらの発する微弱な電波など、すぐに……届かなくなるだろう
それに……わしももう、長くない
59: ◆9l/Fpc6Qck 2016/07/08(金) 07:11:28.81 ID:0Q/ccCV10
……それよりどうだろう
最後に一つ、わしの願いを聞いてほしいのだが……
……どうぞ
60: ◆9l/Fpc6Qck 2016/07/08(金) 07:12:27.25 ID:0Q/ccCV10
『……り、了……』
『僕にでき……とであれば、何……』
『……ど……』
61: ◆9l/Fpc6Qck 2016/07/08(金) 07:15:04.50 ID:0Q/ccCV10
了解、感謝する
では……この交信を切った後、君は家の外に出て
こちらに向かって、手を振ってほしい
わしも、そうする……どうぞ
62: ◆9l/Fpc6Qck 2016/07/08(金) 07:17:52.04 ID:0Q/ccCV10
『り……』
『分か……し……やって……ょう』
『僕……そ……ザザッザッ……い…………ぞ』
63: ◆9l/Fpc6Qck 2016/07/08(金) 07:18:20.84 ID:0Q/ccCV10
了解、ありがとう
どうやらもう……限界らしい
では、この辺りでお開きにしよう……どうぞ
64: ◆9l/Fpc6Qck 2016/07/08(金) 07:18:53.58 ID:0Q/ccCV10
『りザザザッ……寂し…………仕方あ……』
『……リュ……ザザッ…………ザッ、シ…………クス…………エイ……ズィー』
『こち……エック…………ト、エ………ザッザザッ………イー』
『本……楽し……信ありが……ござ……ザッ……た』
『……ぞ』
65: ◆9l/Fpc6Qck 2016/07/08(金) 07:19:24.37 ID:0Q/ccCV10
あぁ……了解
エックス、エイト、エー、シー、イー
こちらは……ゴホッ、ダブリュー、フォー、ケー、シー、シックス、エヌ、エイチ、ズィー
ありがとう、わしの最後のお友達
……さようなら
66: ◆9l/Fpc6Qck 2016/07/08(金) 07:20:09.25 ID:0Q/ccCV10
『……か……』
『……リュ………ザッ……ザッ、シ…………ザザザ……エイ……ザザザッザ』
『こ……ピィィィ……エックザザザッ……ト、エ………ザッザザッ………イー』
『……大切……友達……ザザッ』
『さ……なら……ザザザザザ……』
67: ◆9l/Fpc6Qck 2016/07/08(金) 07:20:49.05 ID:0Q/ccCV10
『ザ――――――ッ』
『プツン』
68: ◆9l/Fpc6Qck 2016/07/08(金) 07:21:23.13 ID:0Q/ccCV10
――ギィ……バタン
うぅ……やはり、外は寒い
ここも昔は……ゴホッ、ゴフォッ……亜熱帯の地だったのだがなぁ
今ではこのように、“オーロラ”までもが掛かるようになりおった
……だが、綺麗だな……
69: ◆9l/Fpc6Qck 2016/07/08(金) 07:22:16.73 ID:0Q/ccCV10
……さて、君の目には今……どう映っている?
“そら”からは、どう見えているのだ?
このオーロラが
この氷に覆われた星が
70: ◆9l/Fpc6Qck 2016/07/08(金) 07:23:05.12 ID:0Q/ccCV10
わしの目には、機械で覆われた鉛色の月が見える
残念ながら、手を振る君の姿は見えない
71: ◆9l/Fpc6Qck 2016/07/08(金) 07:24:06.68 ID:0Q/ccCV10
だが、君は間違いなくそこにいるのだろう
何故なら儚く脆い、あの電子の“やり取り”だけが、それを証明してくれたのだから
72: ◆9l/Fpc6Qck 2016/07/08(金) 07:24:46.01 ID:0Q/ccCV10
だから……わしも、あの月に向かって手を振ってみよう
さようなら、さようなら
――――――――――――fin――――――――――――――
73: ◆9l/Fpc6Qck 2016/07/08(金) 07:26:01.45 ID:0Q/ccCV10
これで以上となります
少々退屈な作品だったかもしれませんが……
ここまで読んでくださった方、楽しく書かせていただきありがとうございました
少々退屈な作品だったかもしれませんが……
ここまで読んでくださった方、楽しく書かせていただきありがとうございました
74: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/08(金) 10:38:20.84 ID:u2VfdFkNO
雰囲気あって良かった
乙
乙
76: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/08(金) 20:05:31.07 ID:H0lHf5yDO
短編映画のようだ
乙
乙
75: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/08(金) 19:56:37.27 ID:9nOMY30WP
何らかの理由で地球の自転が止まって、地磁気が消えてしまったのかな
儚げないい雰囲気、乙でした
儚げないい雰囲気、乙でした