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右京「346プロダクション?」


297: ◆GWARj2QOL2 2016/04/08(金) 22:52:47.10 ID:4FyaoBukO
アタシが右京さんと関わって、色んなことがあった。

新しい仲間も増えたし、頼れる先輩も出来た。

狭いけれど、居心地の良い第二の家が出来た。

その中では、本当に色んなことがあった。

そして、イレギュラーな事も、当然あった。

…それが起きたのは、突然。

それは、遅かれ早かれ起きたのかもしれない、小さな事件のようなもの。

…いきなりの事に混乱したけど。

298: ◆GWARj2QOL2 2016/04/08(金) 22:53:41.49 ID:4FyaoBukO
右京「…」

友紀「…」

紗枝「…」

幸子「…」

紗枝「…友紀はん」

友紀「何?」

紗枝「何?やあらしまへんがな。どういうこどすか?」

友紀「…いや、アタシに聞かれても…」

幸子「友紀さんが知らないなら、ボクも知りませんよ」

紗枝「…やっぱり、無理し過ぎたんちゃいます?」

友紀「それはなんとなく分かるけどさ…あれ、そういう感じ?」

幸子「疲れてる…ようにも見えますが…」

紗枝「言うてもアイドルとそう変わらん体力の持ち主どすえ?」

友紀「…」

幸子「…」

紗枝「…ほんま、どないしたんどすか?」

右京「…」ボー…

299: ◆GWARj2QOL2 2016/04/08(金) 22:54:41.57 ID:4FyaoBukO
朝。

右京さんが紅茶を淹れながらアタシ達を待っている。

今日も同じようにアタシが二番目で、いつもと変わらない挨拶をした。

「おはよー!」

「おはようございます」

「…あれ?右京さん…」

「どうかされましたか?」

「木札、変えてないよ。ほら」カタン

「…おや。そうでしたか…」

…。

「それと、紅茶は?」

「…ああ!そういえば…」

…。

「…どうしたの?」

「…はいぃ?」

「…」

…おかしい。

何がおかしいかって聞かれると、具体的には答えられないけど、めちゃくちゃおかしい。

まず、返事がワンテンポ遅い。

そして、変えていない札。

淹れてない紅茶。

ただのミスだろう。

そう思うかもしれないけど、この人に限ってそれはない。

…でも、それ以上に…。

「…」

「…」

…あの右京さんが、ボーッとしてる…?

300: ◆GWARj2QOL2 2016/04/08(金) 22:55:39.26 ID:4FyaoBukO
紗枝「まさか、どこか頭を打って…」

友紀「それも無いよ」

紗枝「そんなん、分からへんやないどすか」

友紀「見てなくても足元の段差とか避けるくらいだよ?」

幸子「…ま、こんな日もあるんじゃないですか?右京さんだって人間ですし…」

紗枝「そんなん嫌やわぁ。幸子はん、いつもみたいにじゃれてきてくれまへんか?」

幸子「貴方にとってボクって何なんですか…それに何だか話しかけづらいですよ…」

友紀「うん。何か…ね」

右京「…」ボー…

紗枝「あんな右京はん、右京はんやありまへん!」

友紀「分かった。分かったからそんな…」

右京「…」

友紀「右京さん!」

右京「…どうかされましたか?」

友紀「ほら、今日のアタシ達の予定、覚えてる?」

右京「?…そうですねぇ…」パラパラ

紗枝「手帳見てますやん!いつもやったらコンマ1秒とかからず詳細に答えるようなお人が!」グイグイ

幸子「あうあう…それとボクを揺さぶるのに何の関係があるんですか!」グワングワン

友紀「…大丈夫?体調悪くない?」

右京「…体調は、すこぶる快調ですがねぇ…」

友紀「…えええ?」

301: ◆GWARj2QOL2 2016/04/08(金) 22:56:38.31 ID:4FyaoBukO
やっぱり、おかしい。

アタシの知ってる右京さんではない。

こんな隙だらけで、何も考えていないおじさんではない。

「…」

ただただ、心配になる。

もしかしたら、季節の変わり目のせいでこうなったのか。

はたまた、早めの夏バテなのか。

…考えたくないけど、ボケちゃったのか。

「…!」

違う違う。

右京さんはそんなヤワじゃない。

…最も、それはそうであって欲しいと思うアタシの願望なだけなんだけど。

「…」

無表情で車を運転する右京さんを見ていると、不安要素しか感じられない。

「…事故、起こしませんよね?」

「…多分、大丈夫だと思う…」

幸子ちゃんがそう思うのも、無理はない。

昨日今日で、これだけの落差があるといくらなんでも混乱する。

アタシを華麗に助けた事。

紗枝ちゃんを華麗に躱した事。

幸子ちゃんの母親に啖呵を切った事。

そのイメージが、途端に崩れ去るような感覚に陥る。

「…右京さん、今日…アタシ達タクシーで帰るから…」

「…いえ、体調はすこぶる…」

「だってほら…ねえ?」

「そうどすえ。いつもやったら、何でもぱっぱとしてくれますやん…」

「…そうですか…」

「…あああ…」

相変わらずの受け答えに紗枝ちゃんが頭を抱える。

…ホント、どうしちゃったんだろ、右京さん…。

302: ◆GWARj2QOL2 2016/04/08(金) 22:57:54.95 ID:4FyaoBukO
「えーとですね…ここでお菓子持って…3人でダンスを…」

幸子「あの、並び方は…」

「うーん…そうだなぁ…346さん、どうします?」

右京「…そうですねぇ…」

「こういう時は、背の低い子が真ん中に来て…」

右京「…そうですねぇ…」

「で、そこを左に紗枝さん、右に友紀さん。こんな感じでいいですかね?」

右京「…ええ。良いと思いますよ」

「良し!じゃあそれでいきましょう!」

幸子「…」

紗枝「…」

友紀「…」

「まず先に送っておいたビデオの振り付けをですね…」

友紀「あ、はい!」

「最後ターンを決めて、カメラに寄って一言!…ってな具合ですから!頑張っていきましょう!」

幸子「は、はい…」

右京「…」ボー…

紗枝「…うう…」

「あ、あれ?紗枝さんどうしました…?」

友紀「あ、な、何でもありませんから!大丈夫ですから!」

「は、はあ…それじゃ撮影いきますよー!」

幸子「ほら立って下さいって…!紗枝さんまでそんなになってどうするんですか!」

紗枝「…せやかて幸子はん…」

「はい撮影まで5…4…3…2…」

右京「…」ボー…

友紀「(…これ、相当ヤバいんじゃ…)」

303: ◆GWARj2QOL2 2016/04/08(金) 22:58:54.65 ID:4FyaoBukO
瑞樹『あら…そんなことが?』

友紀「そうなんです…どうにもこうにも…アタシ達じゃ…」

瑞樹『…そうねぇ。そんなこと言われても、前例が無い事だし…』

友紀「瑞樹さんも、分かりませんか?」

瑞樹『そうねぇ…私達も、直接彼の下にいたわけじゃないから…』

友紀「そうですか…」

瑞樹『そもそもプライベートなんて一切話さない人でしょ?原因なんて何も分からないわ』

友紀「うーん…でもこのままだと、紗枝ちゃんが…」

紗枝「…」

瑞樹『あらあら……なら、そうね…』

友紀「あるんですか!?解決策!」

瑞樹『大声出さないでよ…』

友紀「あ…すいません…」

瑞樹『まあ、解決策になるかどうかは分からないけれど…総務課に行ってみなさい』

友紀「総務?」

瑞樹『ええ。そこに行けば米沢って人がいるから』

友紀「米沢さん…」

瑞樹『ええ。眼鏡を掛けてて、ちょっとおかっぱのふっくらした男の人よ』

友紀「…うーん…」

瑞樹『まあ、行けば一瞬で分かるから。とりあえず帰ったら行ってみなさい』

友紀「あ、はい!ありがとうございます!」

瑞樹『彼、杉下係長とは346でも一番親しいから。だから何か教えてくれるんじゃないかしら?』

友紀「米沢さん……はい!ありがとうございました!」

304: ◆GWARj2QOL2 2016/04/08(金) 22:59:44.97 ID:4FyaoBukO
結局この問題の解決策が見つからないまま、仕事を終えた。

スタッフの提案にも生返事だったし、帰りの車でも何だかボーッとしてた。

…右京さんを何とかしないと紗枝ちゃんのモチベーションに関わるみたいだし…。

「…」

…アタシも幸子ちゃんも、なんだか嫌だし…。

とにかく、米沢って人に会ってみようかな。

そしたら、解決はしないまでも、右京さんがこうなった原因が分かるかもしれないし。

…っていうか、これ完全にロボット扱いだよね。

とりあえず、戻ったら紗枝ちゃんと幸子ちゃんを連れていこう。

「…」

…でも、瑞樹さんは見たらすぐ分かるって言ってたけど…。

そんな分かりやすい特徴かなあ?

おかっぱに近い髪型で、眼鏡の…太ってる人。

「…うーん…」

…。

305: ◆GWARj2QOL2 2016/04/08(金) 23:00:34.89 ID:4FyaoBukO
友紀「…」

紗枝「…」

幸子「…」

米沢「…」カタカタ

友紀「…あの人、だよね?どう見ても」

幸子「…そうですね」

紗枝「確かに、どこか目立ちそうな風貌どすなあ…」

幸子「何というか…何処か近寄り難いと言いますか…」

紗枝「何やろか…いわゆる…オタ…」

幸子「シッ」

友紀「(…確かに、右京さんと仲が良いっていわれるくらいだもんなあ…)」

306: ◆GWARj2QOL2 2016/04/08(金) 23:03:06.08 ID:4FyaoBukO
友紀「…あ、あのー…」

米沢「…」

友紀「あのー…」

米沢「?私ですかな?」

友紀「あ、はい…」

米沢「…?おや、あなた方は…」

幸子「右京さんのプロジェクトの…」

米沢「ええ。存じていますが…杉下係長は?」

友紀「あ…えーと…」

紗枝「右京はんについて聞きたいこと、あるんどすわぁ」

米沢「はて…私にですか?」

幸子「は、はい」

米沢「ふむ…でしたら」ガタッ

幸子「ひうっ!?」

米沢「…?」

友紀「あ!ご、ごめんなさい!ちょっとこの子人見知りなところあるんですよ!」

米沢「ああ。そうでしたか。…まあここではなんですから、外のカフェにでも行くとしますかな」

紗枝「え?」

幸子「そ、そんな事までしなくても…」

米沢「ああ、いえいえ…」ズイッ

友紀「うえっ!?」

米沢「…杉下係長の話は、ここでは難しいものですからな…」ボソ

友紀「あ…」

幸子「そういう…ことですか…」

米沢「では行きますかな。かくいう私もまだ休憩をとっていなかったものですからな…」

幸子「あ…はい」

紗枝「…」

友紀「…」

幸子「…右京さんと仲が良い理由、なんとなく分かります…」

紗枝「…ウチもどすわ…」

友紀「…」

307: ◆GWARj2QOL2 2016/04/08(金) 23:04:01.21 ID:4FyaoBukO
それからアタシ達は米沢さんに連れられ、346プロダクション内にあるカフェで少しの休憩をとることにした。

…確かに、見てすぐに分かるような人だったなぁ。

「すみません。私はクリームソーダを一つ」

「あ、はい!」

席に座ると同時に店員さんに注文をする。

突然の注文に店員さんも慌ててこっちに飛んでくる。

…。

「あれ?菜々ちゃん?」

「どうもー…ナナです」

見覚えのある顔が、そこにあった。

…でも、菜々ちゃんが働いてるのって…。

「菜々さん、ここで働いてるんですか?メイド喫茶は…」

「こっちの方が近くて便利なんです。お別れは寂しかったんですが…ううっ」

「あ、あはは…」

そうは言いながらも、今の彼女の格好はメイド喫茶と比べても大差ない。

店長さんや、他の従業員さんを見ると普通の格好、ということから恐らくここはエプロン以外は自由ということなのだろう。

そこでメイド服というのは、彼女の譲れない部分というものなのかどうなのか…。

「ウチ、メイドはんなんて初めて見ましたわぁ」

「あ、ち、違いますよ!これは仮の姿!ナナの本当の正体は…」

「ウチ緑茶くださいな」

「アタシアイスコーヒー!」

「ではボクはミルクティーを」

「無視ッ!!?」

308: ◆GWARj2QOL2 2016/04/08(金) 23:05:05.31 ID:4FyaoBukO
米沢「はあ…杉下係長が…」

紗枝「そうなんどす。何しても何言うても…ただのおじさまのように…」

米沢「お、おじさま…」

友紀「米沢さんは、何か知らないの?」

米沢「そうですなあ…」

幸子「…」

米沢「…私も、杉下係長の全てを知っているわけではありません」

友紀「…そう、だよね…」

米沢「…が」

友紀「!」

紗枝「何か、知っとるんどすか?」

米沢「いやいや、これは私の都合なんですがな。…大分前に、彼が足繁く通っていた小料理屋が無くなってしまいましてな…」

友紀「…?」

米沢「杉下係長としても、習慣にしているものの一つが無くなったわけですからな…」

紗枝「そない危ない薬みたいな…」

米沢「いやいや、バカにできんものですぞ。彼としてはあの店は酒を飲みにいくよりも、女将さんに会いにいくということの方が正しいかもしれませんからな…」

友紀「えっ」

紗枝「えっ」

幸子「…ほほう」

米沢「まあ、そういう…」

友紀「ど、どういうこと?あの人にそんな人が…?」

米沢「おや、聞いておりませんでしたかな?」

紗枝「聞くも何も、そない習慣があったなんて…」

米沢「ここだけの話、そこの女将さんは、杉下係長の元配偶者だったとかなんとか…」

友紀「はっ!?」

幸子「え!?」

紗枝「なっ…」

309: ◆GWARj2QOL2 2016/04/08(金) 23:06:12.40 ID:4FyaoBukO
友紀「ちょっ…ちょ!!知らないって!何それ!?」ブンブン

米沢「ぐぐぐ…わ、私も聞いただけのお話ですからな…」グワングワン

紗枝「お付き合いどころか、結婚から離婚まで…」

幸子「…待って下さい。とどのつまり…」

友紀「…」

幸子「……会えなくて寂しいと?」

友紀「う…」

米沢「ううむ…そういう方ではないと思いますがな…まあ、習慣の一つが無くなったということ…」

紗枝「…」

米沢「そして、その影響が大きいこと。…それくらい…ですかな」

友紀「…」

紗枝「…」

幸子「…と、いうことは…」

友紀「…うん」

米沢「?」

紗枝「まあ、良え機会と思て…」

友紀「…」ガタッ

紗枝「…」ガタッ

幸子「…」ガタッ

米沢「おや、解決には至ったのですかな?」

友紀「うん。ありがと!米沢さん!」

紗枝「ほんま、おおきに…」

幸子「ありがとうございました!」

米沢「ああ、いやいや…」

友紀「じゃーねー!また何かあったら相談するからね!」

米沢「あ、はあ…」

紗枝「ほなウチらはこれで…」

米沢「え?」

幸子「お疲れ様でした」

米沢「あ…」




米沢「…1700円。高い昼休憩でしたな…」

310: ◆GWARj2QOL2 2016/04/08(金) 23:07:17.51 ID:4FyaoBukO
右京「…」


右京「…」


友紀「右京さん!」バタン

右京「…どうかされましたか?」

友紀「ほら、早く着替えて!行くよ!」

右京「?…おや、今日はもう終了のはずでは…」パラパラ

紗枝「ほらほらはよ準備して…」グイグイ

右京「?」

幸子「行きますよ…!」グイグイ

右京「…はいぃ?」

友紀「いいから!!」

右京「…」

紗枝「何にしても今日は、色々話してもらいますえ」

幸子「ボクのプライベートにはズカズカ入り込んで、自分は秘密主義なんて許しませんよ!」

右京「おやおや…」

友紀「そもそも、結婚してたって何!?」

右京「…おや、どなたから?」

友紀「あー!!嘘じゃなかったー!!」

右京「…君、僕をどういう風に見ていたんですかねぇ」

幸子「それもこれも含めて、全部話してもらいますからね!」

右京「僕のプライベートなど、何の面白みもありませんがねぇ…」

友紀「はいはい早く歩いて」

右京「…ちなみに、僕はこれから何処へ連れていかれるんですかねぇ?」

紗枝「何処でもええやないどすか。お酒が飲めて、人と話せるなら…」

右京「…」

友紀「あ、勿論二人はジュースだからね」

幸子「分かってますよ!!」

右京「…」

紗枝「ふふ。水臭い事せんと、早う言っとくれば良かったのに…」

右京「…僕は今日、車なんですがねぇ…」

友紀「あ」

幸子「あ」

紗枝「あ」

311: ◆GWARj2QOL2 2016/04/08(金) 23:08:24.42 ID:4FyaoBukO
…。

「…っていうさ」

「そんな事も、ありましたかねぇ」

右京さんはどうでもいいと言わんばかりに日本酒をチビチビしていた。

大酒飲みというわけではないのか、飲み方はいつもどこか遠慮がちだ。

「…でも右京さんって、こういうの好きなんだね」

「ええ。静かで、人も少ない方が、僕好みというものです」

「じゃあさ、良いとこ見つけたアタシに感謝だねー…」

「ええ。高垣さんには本当に感謝ですねぇ」

「う…き、聞いたのはア・タ・シ!!」

「ンフフ…」

あれから右京さんをあれやこれやと連れ回し、彼自身も嫌と言わず着いてきたは良いけれど。

…結局右京さん好みの店を見つけたのは、高垣楓さんという先輩アイドルだった。

何処か暗く、近寄り難かったけど、意外とすんなり穴場を教えてくれた。

…何だかあの巨大プロデューサーさんにべったりだったけど。

「でもさ、一時はどうなるかと思ったんだよ」

「そうでしたか」

「だって、いつもみたいに重箱の隅をつつくような感じじゃないんだもん」

「…君には、幸子君を見習ってほしいものですねぇ」

「じゃー…アタシのこと名前で呼んだら…」

「…」

「…」

…。

「…ね。右京さん」

「何でしょうか」

「…今でも、その…奥さん…のこと…」

「…」

「…」

「彼女の人生は、彼女の人生です。僕にとやかく言うようなことは…」

「はぐらかさないで」

「…」

「ちゃんと言って」

「…誰とも繋がっていない人間など、この世にはいません」

「…」

「たとえ離れていても、必ず繋がっています」

「…」

「…それが僕の答えです」

312: ◆GWARj2QOL2 2016/04/08(金) 23:10:59.17 ID:4FyaoBukO
…離れていても、どこかで繋がっている。

そしてそれは、誰しもが持っている。

みんな何処かで、誰かと繋がっている。

…。

『…絆…っていうの?』

『君らしく言うならば、そうなります』

…絆。

右京さんと、別れた奥さんの、絆。

右京さんと、アタシの絆。

アタシと、紗枝ちゃん、幸子ちゃんの絆。

…離れていても、か。

…そうだね。

…。

右京さん。

だから、そんな事言ったの?

自分にこれから訪れる事を、知っていたから、そんな事を言ったの?

…。

右京さんが消える、1ヶ月前の出来事だった。

第九話 終

313: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/08(金) 23:11:39.83 ID:/TseUpxGO

物語も終盤か

314: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/08(金) 23:15:04.65 ID:DJhPn0350
おつ
幸子が花の里継ぐのかと思ってしまった

315: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 17:02:26.04 ID:86V82xCa0
おつ

316: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/11(月) 12:46:07.75 ID:a4TH7PZCO
消えるのか
てっきり元の評判悪かった右京さんにもどるのかと

317: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/12(火) 13:09:28.90 ID:wughmyt60
このSSアイマス世界にも『花の里』あったのね

321: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/17(日) 17:04:30.72 ID:COGvUS8v0
期待して待ってるぞ